2005年Jリーグディビジョン1 第25節
@瑞穂陸上競技場
セレッソ大阪 3 − 1 名古屋グランパスエイト
得点者:(C大阪)古橋達弥(前32)、前田和哉(後3)、西澤明訓(後6)
(名古屋)中村直志(前44)
セレッソ大阪
GK:吉田宗弘
DF:ブルーノ クアドロス、前田和哉、柳本啓成
MF:ファビーニョ(→後44 布部陽功)、下村東美、久藤清一、ゼ カルロス、古橋達弥
FW:西澤明訓(→後37 黒部光昭)、徳重隆明(→後24 宮原裕司)
サブ:伊藤友彦、酒本憲幸
名古屋グランパスエイト
GK:楢崎正剛
MF:角田誠、秋田豊、古賀正紘
MF:クライトン、安英学、山口慶(→後13 中山悟志)、中谷勇介(→後20 本田圭佑)、藤田俊哉
FW:中村直志、杉本恵太(→後33 豊田陽平)
サブ:河島永嗣、吉村圭司
直前に夕立が降り、少し涼しく感じた瑞穂陸上競技場。
この試合のポイントは両サイドにあった。
4年ぶりの3連勝と波に乗り、瑞穂に乗り込んだセレッソ大阪。
今節は森島寛晃の出場停止により西澤明訓・黒部光昭の2トップも考えられたが、小林伸二監督はシステムをいじることなく、森島の位置に久しぶりの先発となる徳重隆明を入れた。
迎える名古屋グランパスエイト。
前節終了後にネルシーニョ監督が解任、22日にはルイゾンの突然の移籍とここに来て問題が続出。今節はさらに増川隆洋が怪我で戦線離脱とまさに踏んだり蹴ったり。
今節から指揮を執る中田仁司監督代行はWボランチに司令塔が1人のオーソドックスな3−5−2のシステムを選択。ルイゾンが抜けた場所にはセレッソに相性のいい中山悟志ではなく、中村直志を起用した。
試合開始直後、名古屋が速いペースでパスをつないで試合のペースをつかもうとするが、雨に濡れた芝に足を取られたり、ミスパスも多く、なかなか上手く展開できない。
一方のセレッソも何度かあるセットプレーのチャンスを活かせず。ボールが結構動いている割にはじりじりとした時間が続く。
前半14分。セレッソに最初のチャンス。
右にこぼれたボールをファビーニョが拾い、中央のDFとGKの間に低いクロス。そこへ西澤が足を伸ばしてゴールに迫るがわずかに届かず。
試合はこの辺りから徐々にセレッソのペースになり、右サイドの久藤清一がやや高めに位置していた中谷勇介の裏を突くボールを放り込み、そこに徳重が走りこむというシーンが度々見られる。
前半32分。やはりセレッソの得点は右サイドからの攻撃だった。
右サイド、ボールを受けた古橋の横を追い越して久藤がライン際を走ってパスを受ける。その久藤がワンタッチで西澤にボールを渡す。そのボールを西澤が走りこんだ古橋にマイナス方向のパスを送る。古橋はトップスピードに乗ったままゴールへ一直線。右足で豪快に蹴りこみ、セレx地嘘が先制した。
このシーン、古橋の動きはもちろん良かったのだが、その前の久藤が中谷のマークを外し、ライン際を駆け上がった動きが効果的だった。これにより、古橋のマークに付かなければいけなかった古賀がそちらにつられ、ぽっかりとスペースが開いてしまった。古橋はトップスピードのままそのスペースに侵入でき、後はしっかり決めるだけの状態。
それにしても古橋、これで名古屋戦は5戦で4得点。相性がいいのは鹿島戦だけではない。
これで名古屋もエンジンがかかったのか、積極的な攻めを見せる。
前半38分には右サイドからの中村直志が蹴ったCKはフリーで待っていた古賀にドンピシャ。ヘディングシュートがゴールを襲うが間一髪ファビーニョがライン上で蹴りだしてクリア。
決定的なチャンスを逃した名古屋だったが、まだツキは残っていた。
前半44分、ゴール前中央やや右で得たFKを中村が直接決めて同点に追いつく。吉田も触ったのだが無情にもゴールへと吸い込まれていった。
結局前半は1−1で折り返し。
後半、セレッソは前半あまり見られなかったサイドチェンジを頻繁に行い、ワイドに展開しようと試みる。これが後々効いてくることになるわけだが…
後半3分、セレッソの追加点は意外な形で訪れた。
左サイドからのCK、古橋達弥が蹴ったボールをDF前田和哉がマークに付いていた角田誠を完全に振り切ってヘッドで合わせてゴール。前田はJリーグ初得点。
セレッソのセットプレーからの得点シーンを見ることができるとは…いやはやアウェーに行った甲斐があったというもの。
さらに後半6分、右サイド久藤のスローインからのボールを西澤が受けて、久藤に返す。信じられないことに久藤はまたまたこの時フリー。久藤が中央にいた古橋に向かってクロスを上げると、古橋が足元にストンと落とし、後ろにいた西澤にパス。そのボールを西澤がノートラップで左足のシュート。回転のかかったボールに楢崎正剛は触ることができずゴールの左隅に吸い込まれた。セレッソ、今シーズン初めて3得点目。
やはりこのときも久藤が完全にフリーで全くプレッシャーの無い状態でクロスを上げることができたことが大きい。この日の中谷勇介は攻撃面ではいい面も見せたが、守備面が脆すぎた。
後半13分、中田仁司監督代行が最初のカードを切る。右サイド、ゼカルロスの攻撃を良く封じていた山口慶に代えてFWの中山悟志を投入。FWの位置にいた中村直志が右サイドに入った。
ポストプレーのできる長身のFWを入れた効果はいきなり表れた。秋田豊のゴール前へのロングフィードをその中山が受け、反転してシュートを放つ。これはブルーノクアドロスの体を張ってディフェンスにより得点には至らず。
効果と言えば逆に山口を下げたことにより、ゼカルロスの突破も目立つようになってしまったのだが。
後半20分、名古屋は2枚目のカード。前半30分過ぎから消えていた左サイドの中谷勇介に代わって本田圭佑を投入。この交代は非常に効果的だった。ここから試合終了まで名古屋の攻撃は左サイド偏重になる。
後半24分、小林監督が動く。徳重隆明に代わり宮原裕司を投入。そのままの位置に入る。
この日の宮原は前回の磐田戦で少しの間ではあったものの出場できたことが良かったのか動きもかなり良かった。決定的なパスこそ無かったものの前線からの守備も見せていたし。今後に期待できるのでは。
その後はお互い決定的なチャンスがあったものの決めることはできず、そのまま試合終了。
セレッソはこれであの優勝一歩手前まで行った2000年1stステージ以来の4連勝。
首位ガンバ大阪との勝点差も2縮まって8となった(11勝7敗7分 得失点差+1)。
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