2006年Jリーグディビジョン1 第10節
@長居スタジアム
セレッソ大阪 2−2 京都パープルサンガ
得点者:
(C大阪)柿本倫明(後2)、森島寛晃(後37)
(京都)中払大介(後21)、アレモン(後28)
セレッソ大阪
GK:吉田宗弘
DF:山田卓也、江添建次郎、ブルーノクアドロス、ゼカルロス
MF:下村東美、苔口卓也(→HT 柿本倫明)、森島寛晃、徳重隆明(→後19 柳本啓成)
FW:古橋達弥、西澤明訓
サブ:鈴木正人、藤本康太、山崎哲也、ピンゴ、宮原裕司
京都パープルサンガ
GK:平井直人
DF:リカルド、手島和希、登尾顕徳、児玉新
MF:米田兼一郎(→後20 林丈統)、斉藤大介、加藤大志、美尾敦(→後15 中払大介)
FW:パウリーニョ、アレモン(→後41 松田正俊)
サブ:西村弘司、鷲田雅一、三上卓哉、渡邉大剛
昼過ぎからの小雨も試合開始前には止み、マナーのよろしくないお子様たちであふれかえったSB席(もちろんマナーの良いお子様もいましたがどちらが多いかというと…)。って言うか君たちサッカーしてるんだったら目の前の試合を見なさい。トラップが大きすぎるとかシュートが枠に飛ばないとか諸般の問題はあるけど、あれでも一応プロなんだから。
前節から4−1−4−1にシステムを変更し、この試合も引き続き同じフォーメーションを採用。右サイドには広島戦後半から出場し、まずまず良い動きを見せた苔口が今季初先発。後は広島戦と同じメンバー。
一方の京都はパウリーニョが出場停止から復帰。シーズン途中で出戻りした手島もいきなりスタメン。
前半はお互い探りながらの試合展開。慣れてないとは言え、攻撃的システムを牽いてる割りに攻めきれないのはただ単に連携不足なだけなのか、それとも根本的にこのシステムが合っていないのか…
久々の先発で期待された苔口も全く機能せず。右SBの山田とポジションは被る、ドリブルで突っかけることもできない、相手DFの裏へも飛び出せないと全く見所無し。せっかく抜擢されたのにこの内容では… もっと積極性を見せてほしかったな。若いんだからガンガン行ってくれよ。
後半、その苔口に替えて柿本を投入。左サイドにいた徳重が右サイドへ。
これがいきなり功を奏する。完全に押さえられていた西澤の1トップから前線のターゲットを増やしたことで、マークがずれたのか京都のDF陣に綻びが。左サイドのゼカルロスが高い位置までオーバーラップして西澤へパス。これをダイレクトで柿本へ折り返す。観てるこっちがビックリする位なぜかドフリーの柿本。これを冷静に決めてセレッソが先制。
ここで勢いに乗れるかと思いきやそこはいつものセレッソ。ボールを奪ってからサイドに展開しようとするも攻め上がりが遅く、中途半端な位置でボールを奪われる→カウンター→京都のフィニッシュ精度に助けられる、またはサイドに展開するも出すところが無く中央にパス→下村がヤバい位置でボールを奪われる→カウンター……
あー、もうイライラする。あまりにも中盤ががら空きなのを見かねてか塚田監督は徳重に替えて柳本を投入。SBの位置にいた山田をボランチの位置に上げて厚みを持たせようとする。その直後の失点に関してはまあしょうがないというか。あの位置でファウルを与えることがいけないことなのであって、システム云々の話ではないし。ただ2失点目はちょっと… あのシーンゼカルロスがかなり高い位置まで上がっていて完全に裏を取られ、必死に戻るも軽い守備で交わされてクロスを上げられて失点。
代表戦でよく見るシーンを目の前で見せられるとは。その後はお互い中盤すっぽかしサッカー。セレッソはもうひたすらサイド攻撃。しかしながらロクなクロスが入らないためチャンスにもならず。一方の京都はDFから前線のアレモン、パウリーニョへのロングボールを放り込むばかり。両チームとも近代サッカーにおける戦術というものが全く感じられない数十分。ふう。
しかし終了間際、その愚直なまでのサイド攻撃が(偶然に近いが)実を結ぶ。柳本のオーバーラップから中央へクロス。そのクロスがDFに当たってコースが変わり西澤の前へ。西澤が足を伸ばし、シュートかパスか分からないボールが森島の前に。それを押し込んでセレッソが同点に追いつく。
その後はパウリーニョのジャンピングボレーなど危ないシーンもあったが、そのまま試合終了。下位同士の試合は結局順位どおりグダグダな内容のまま引き分けという結果に終わった。
<短評>
吉田…あの1失点目は防げたような…
山田…相変わらず豊富な運動量。クロスの精度については何も言うまい。
ブルーノ…時折果敢な上がりを見せる。守備に関しても安定。
江添…相手との当たりが弱すぎる。お隣の日本代表主将を一回りスケールダウンさせた感じ。
ゼ…守備は軽い、クロスは悪い、ドリブル突破できないと散々。大分研究されてる気がしますな。
下村…彼がボールを奪われると即ピンチに。なのに簡単にボールを取られるシーンがちっと多くないかい?
苔口…こ、好材料が見つからない…
森島…2試合連続フル出場。2得点目のポジショニングが絶妙です。
徳重…調子よさそうだったのでもう少し見たかった気も。
古橋…逆にこちらは不調のトンネル未だ抜け出せず。むー。
西澤…ポストプレーは健在。最近中盤まで下がってるシーン多し。もったいない。
柿本…J1初ゴールオメ。一度2トップで見てみたい気もします。
柳本…SBで相手のスペースを埋める。逆サイドが空きっぱなしだったからね…
とりあえず攻撃的なシステムにしたものの、バリエーションがほとんど増えてないってのはかなり問題な気がするのですが。1トップの限界(アキが押さえ込まれると攻撃にならない)とサイド攻撃の限界(良いクロスを入れられる人がいない)が感じられる今、何らかの対策を打つべきでしょう。今のシステムでは攻撃も守備も中途半端になってしまい、結局どっちつかずになってしまっている気がするんですよね。個人的には試合終盤で見られた4−4−2が一番しっくり来ていたと思うのですが…
あと、MDPに掲載されていた賀川さんのコラムに今の状況を見事に言い当てていた部分がありました。
「−今年の試合を見て不思議なのは、セレッソの選手のほとんどが、昨年に比べて上手になっていないことだ−」…次の試合まであと2日。